いよいよ獺祭の蔵見学スタート。
所要時間はだいたい1時間。
見学費用は200円です、更に利き酒したい場合は300円を支払う仕組み。利き酒したい場合はネットでの申し込み時に申請できます。支払いは直売所で集合して、見学予約者であることを告げると、中の人が出席予定者簿みたいなのを持ってくるので、その時にお金を払います。
1階の入り口すぐ。
この新社屋ができたことにより、
最大で従来の約3倍の年間5万石(一升瓶換算で500万本)の生産が可能になりました。
まずは、2階のこのスペースに通されて、概要説明。ここでは現在170人が働いているとのこと。
この建物は12階建てで、
12階 社長の自宅と会議室
11階 宿直室
10階 洗米・蒸米フロア
9階 仕込みタンクフロア
8階 仕込みタンクフロア
7階 仕込みタンクフロア
6階 製麹フロア
5階 機械制御室
4階 製麹フロア
3階 スパークリング清酒用フロア
2階 分析・検査室
1階 事務所
という構成です。
瓶詰めは隣の建物で。
また精米場はここではなく、周防高森駅の近くにあります。
見学できるのは洗米・蒸米と仕込みタンクエリア。
麹エリアは万が一変な菌が入っては困るので、
概要説明時に麹造りの様子を映像で見ます。
それが終わると、次のステップへ。
上の画像にある部屋から扉を開けるとロッカーがあります。ここで荷物を置いて、見学用のキャップと白衣、履物を身に着けます。撮影・メモOKなので、カメラなどは持ち込めます。
そして、いよいよ中へ……入る前にエアシャワー空気汁ブシャーで異物除去。
エレベーターで、
10F。
米は水温5度の水の中、蔵人さんが手で洗っています。毎日5000~6000キロ、人の手で洗っているとのこと。
磨き3割9分だったかしら。
手前のブツに洗った米を入れると、ベルトコンベアで運ばれ、
高圧蒸気ブシャーで30~40分蒸すそう。
9F 仕込みエリア
5度に保たれています。寒い!( ;´Д`)
社屋を新しくしてもタンクは大きくせず、数を増やしたそうです。
ここのフロアのは3000リットルのタンクでした。
櫂入れ(もろみに棒みたいなのを突っ込んで混ぜ、中の温度や成分が均一になるようにする作業)したり、もろみの状態をみるには、この方が管理しやすいからだそうです。データを見ながら酒造りをしているが、温度の上げ下げなどの見極めは人の手でとのこと。
ちなみに旭酒造さんの使用酵母は、 きょうかい1801、1601、1401だそうです。
さて次!……は無く、
直売所に戻って、はいお疲れ様でしたーあとは利き酒希望の方は中へどうぞ……って、えっ?
質問タイムは無い?
しもうた( ;´Д`)見学中に全部聞いとけばよかった。
あわてて担当の方を引き留めて、他に聞きたかったことを質問。
忙しいのにすいませんでした。(;´Д`A
利き酒(希望者のみ300円)。
右から左へ行くほどお上品な味になり、華やかから穏やかな香りに。
飲み足りなかったので追加料金100円払って、二割三分の通常バージョンと遠心分離バージョン(もろみを圧搾機などでギューっと絞り出すのではなく、遠心分離器を使って酒粕を酒を分離。こうすると空気やその他に触れずに酒ができるのでより綺麗になる)を飲み比べ。
そして、せっかくここまで来たので。
(=゚ω゚)
1000円払って、「磨きその先へ」を試飲。さすがに3万2400円は買えない。(´Д` )
磨きその先へと二割三分を飲み比べると、 どちらもほのかにバナナ&リンゴ香で穏やかな岩清水系なのですが、磨きその先にの方が青みが無く、甘み、とろみ、厚み、膨らみがあります。さすがにおいしい。
遠心分離二割三分と普通の二割三分は、おっちゃんのバカ舌では顕著な違いはわかりませんでした。遠心分離の方がクリア?くらい(;´Д`A
試飲は蔵見学しなくても、直売所に行けばできます。何個か飲み比べセットがあり、どれも100円です。磨きその先へのみ1000円。
そんなこんなで終了。二割三分の小瓶を買う。
それにしてもひっきりなしに人来るなあ。すごい。(゚o゚;;
お1人様1本だから、仲間とか家族と来てごっそり買われていく。
そして、
タクシー呼んで周防高森駅へ。15分ほどで2000円くらい。
これはキツい。 ( ;´Д`)
【まとめ】
▽見学はネットで予約。1カ月前くらいだったら滑り込めそう。
▽質問タイムは特に設けられていないので、見学中に質問した方がよいです。
ちなみに、何を質問したかというと。
①ワタミで提供している「等外」。変化が早いので早く飲んでと裏張りに書いてある。等外米だと変化が早いのはなぜ?
→等外米なので、米の粒がそろっておらず、精米のバラツキがでるから。
粒がバラバラだからちゃんと磨けていない米があるわけで、脂質やたんぱく質などいわゆる雑味の元を含んでいるから、変化も早いということなのだろうか。ちょっとそこらへんも尋ねてみたが、上記の理由以上に更に突っ込んだ原因物質は結局よくわからず。
②「山口の山奥の小さな酒蔵」がそのままなのは、そういう気持ちを持ってやるという心意気?
→新しくしたといっても、すべて機械化した工場では無く、人の手をかけている。逆に手間が増えているところもある。特に変更する予定はない。
以上です。
ご参考。獺祭「等外」誕生のいきさつはこちら。
ついでに。
コシヒカリが混入した獺祭「初心」の経緯についても、旭酒造さんがこちらで説明されているので、興味のある方はこちらをご覧いただければ。
世間では何やかや言われている獺祭ですが、滅亡を待つばかりの過疎地が増えている今、地域経済や雇用に貢献する貴重な事例だと思います。
旭酒造さんにはこれからも頑張ってほしいです。(・ω・)
なお、蔵見学を申し込む際、フォーマットに質問欄もあるので、先に尋ねておくとよろしいかと。
おしまい。
前編及び獺祭関連記事はこちら。