日本酒好きのおっちゃんが何か言うとるわ。( ´ ω`)

節操無しの日本酒呑みが、グルメ(?)や旅行記もつづるブログ。土佐酒アドバイザー(高知県酒造組合認定資格)です。

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「腐造」の元凶!火落菌にやられた日本酒はどうあがいても飲めないのか、試してみた。


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火落ちです、本当にありがとうございました。(´Д` )

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 火落ちした酒を飲み比べる機会がありまして、
どないかならんもんかと思って書くことにしました。なお、ブツがブツなのでこれから先、画像はございません。ご了承ください。
 (・ω・)
火落ちした酒ってどんなものぞや?
どう見分けたらいいの?
という方は、こちらをご覧ください。

そもそも火落ちとは

★2017年3月17日火落菌説明部分リライト。真性火落と火落性乳酸菌の分類修正及び腐造乳酸菌を追記しました。

 
上記の記事では火落ちそのものについてあまり言及していなかったので、
色々聞いたり読んだりした中から、わしの考えも整理がてら記します。
 
火落菌は、アルコールがあるところでも元気に活動できるやっかいな乳酸菌の一種です。繁殖すると酒が酸っぱくなってしまいます。酸っぱいだけならまだええんですが、場合によっては臭酸っぱくなるのです。
 一口に「火落菌」と言っても、真性火落菌と火落性乳酸菌の2種類があります。真性火落菌は餌としてメバロン酸(麹菌が出します)が必須、火落性乳酸菌はそうでない。またどちらの菌も乳酸だけを出すタイプ(ホモ型)と、乳酸以外も生成するタイプ(ヘテロ型)があります。なおホモ型の真性火落菌が最もアルコール耐性があるようで、何とアルコール度数20でも活動できるそうです!日本酒の火入れには酵素失活による生ヒネ防止などの効果があるのですが、もう一つ重要なのが火落菌を地獄送りすることにございます。(´Д` )
 
なお、造りの段階で悪さをする「腐造乳酸菌」という菌もおります。
酸度が異様に上がり、酵母が増えなくなってアルコールがちゃんと生成されず、「腐造」に追い込まれてしまいます。
 
と言うわけで乳酸菌というくくりでは同じですが、それぞれの菌は別物です。
  

重症火落ち、軽症火落ち、通常、飲み比べ。

重・軽・常・すべて同じ蔵の同じラベルの酒。ただし火落ち2種類は出荷年月が同じ。健全なものは別の月。
いずれも生酒を室温で置いていたようで、火落菌の夢のマイホームな快適温度に足を突っ込んで落ちた模様。
重、軽はあくまでこの2本間の比較での話。
 
まずは、重いものから。
瓶の中からはっきり分かるくらい濁っている。
もや~っとしている上、白い欠片みたいのもぷかぷか。
タンパク混濁とのダブルコンボかしら。
 (´Д` )
 
嗅。
 
 ( ;´Д`)
うわあ……。
 
すっぱ臭い!
酢にさらにバイオ要素を加えた臭酸っぱさ。ロックで飲んでもすっぱしぶ。
 
(`ω´|||)きつい
 
よし、困ったときは温めるんや!
 
燗。
 (・ω・)……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(`Д´|||)クサッ!
 
これはアカン!
一番近いのは胃酸というか●●物のニオイ。
ほら、食べ過ぎてウッって上がって来た時のアレですわ。
あと御汚れした足の裏とか。
お食事中の方ごめんあそばせ。 
 
燗にすることによって、
におい、うまみ?、酸っぱみ、渋みが増幅された。
特に酸味と渋みがすごく口の中に残る。しわしわする。
駄菓子のレモンラムネの超すっぱいやつの極悪バージョンみたいな。
この膨らみはイラン!(;´Д`A
 
では、軽の方を。
瓶の中はちょっともんやりしてますが、重ほどはっきりはしていないレベル。
 
嗅。
 
 
(・ω・)……。
酸っぱいにおいは、あれ?
あんまり感じない。
 
飲。
 
あ、これはいける。
( ̄▽ ̄)
上記の参考記事でも言及しているのですが、軽い火落ちは意外と飲めるんです、ワシ。ロックで飲んだら、よく言えば、ちょいきつめのグレープフルーツ。
燗にしたら、やっぱり臭さは増幅されますが、うまずっぱ酒でなかなかええんでないでしょうか。
 
では通常バージョンを。
(´Д` )
重いのと比較するとよく分かる。
瓶ってこんな澄んだ色をしているんだ。
 
嗅。
おお、まったりした香り。
(´Д` )
気にならなかった「軽」の方も火落ちしていることがよく分かります。 
 
飲。
生ヒネチックな蒸れ香もありますが、うまし。
軽の方は飲めるし、あの酸は酸でええんじゃけど、
やっぱり臭いのよね、軽い方も。
通常バージョン飲むとすごくよく分かる。
むしろ「軽」がさほど気にならないレベルに感じる「重」は恐ろしすぎることを再認識した次第。 (;´Д`A
 
 

軽症は飲める。重症は……。

 
一番の課題は、やっぱり臭いです。
軽も重も程度の差こそあれ、
胃酸や足の裏系の臭がします。
千葉の「むすひ」にもちょっとだけ似たものを感じますが、あっちは上品なつるっとした感触が鼻にあるのに対し、火落ちはむさ苦しい山賊が「邪魔するで~」とか言うてどかどか鼻に不法侵入してくる荒さ。(´Д` )
 
ただ軽いのは、酸味がキリリ、渋みもそこそこなのでロックや炭酸割りで割とおいしく飲めるように感じます。何かを添えるもしくは加えることで臭みを和らげられれば、いけるかもしれません。もしお家に火落ちした酒があっても、あきらめずにまずは味を見てください。案外飲めるかも?と感じたら、そのまま冷蔵庫にぶちこんで火落ち菌の活動をにぶらせてしまいましょう。もしくはすぐに飲むか。 (・ω・)
 
問題は重い方。
とびきり甘い何かと混ぜてしまうとか。
 しかし酒としてはちょっとなあ……。
 
 
……ん?
(´Д` )
 
酒として使わなかったらええんじゃね?
(´Д` )
 
これアルコール飛ばしてダシ醬油みたいなの入れてポン酢の代わりにならんかしら、あとドレッシングとか。
 
さあ、誰かはようやるんや。
(・ω・)
 
なお、
冒頭の画像は、自宅にあったお酒です。
出かける前に気付いたものの、酒を飲むわけにもいかず、気になりつつ外出。
ただの見間違いかもとわずかな希望を胸に帰宅後、
 
嗅。
..... ( ;´Д`)
 
飲。
(´Д`|||).....
 
本当に、本当にありがとうございました。
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おしまい。