大吟醸というと、
フルーティーな香りがしてすっきりたお酒というイメージを持たれている方がいらっしゃるかと思います。なので単体で飲んだり、淡泊な和食に合わせたりとか。
以前フルーティーなお酒の話は書きましたので、その話は以下ご参考まで。
今回は、そんなにフルーティーでなく味幅もそこそこある吟醸酒は探せば結構あるので、さらに食事と合わせる幅が広がりますという話。
そもそも吟醸造りって何なのというところですが。
国税庁の「清酒の製法品質表示基準」の概要 から以下引用します。
「吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。
吟醸酒は、吟醸造り専用の優良酵母、原料米の処理、発酵の管理からびん詰・出荷に至るまでの高度に完成された吟醸造り技術の開発普及により商品化が可能となったものです」
というわけで、数値的な縛りがあるわけではありません。( ´Д`)
そのうえで、精米歩合によって50パーセント以下なら大吟醸、60パーセント以下なら吟醸を名乗ることができます。アルコール添加をしていなければさらに純米表記ができます。
そんなにフルーティーでない吟醸酒は、端的に言うと
カプロン酸エチルや酢酸イソアミルをたくさん生成する酵母を使っていないお酒です。
きょうかい酵母でいうと6,7、9号、または9号系の酵母で醸していることが多いようです。
なので大吟醸を買う時は、1ケタ台の酵母を使っているお酒を買う、もしくは燗酒メインの店が好んで置いている銘柄の大吟醸を購入すればいいかと思います。(・ω・)
代表例はこちら、
このBYは例外的に甘味が特徴でしたが、
ベースになる風味はほかのBYと同じです。
吟醸香?何それ美味しいの? レベル。
竹鶴の蔵に買いに行ったら、
贈答用にされるんですか?
うちのお酒は一般的な大吟醸とは全然違いますよ、
それでも大丈夫ですか?心配そうに何度も言われました。(´Д` )
確かにフルーティーな味はしませんが、味幅があるので肴は幅広く合わせられます。
フルーティー系だと相性の悪い(と個人的に思っている)醬油を付けた刺身や煮付けでもいけそうです。
ある程度の熟成は要りますが、大吟醸でもモノによっては比較的味の濃い肴や燻製系にも合わせることもできます。もし大阪に旅行される機会があるなら、おすすめしたいのが、大阪にある「お酒なんでも研究所カフェ部」です。低温熟成系の大吟醸とそれに合うさまざまな肴を出してくれます。去年お邪魔しました。
低温できれいに熟成させた大吟醸を取り揃えています。店主の旦那様がその筋のプロで、日本酒と食べ物の相性を日々研究されているとのこと。あまり食中酒としてみられることのないからこそ大吟醸を選んだとか。ちなみに大吟醸なので財布の心配がいりそうですが、ここは一律500円でした。そそぐ量で調節しています。しかも右上にちらりと映り込んでいるピンクの紙に酒のデータや味わいがびっしり書き込まれているので記録としてすごく役立ちました。大阪・片野桜の純米大吟醸「はんなり」の24BYで渡された紙の通り、焼き芋のような含み香と旨み・甘みがあっておもしろかったです。出てくる肴も、みそ味、鳥の肝、燻製などガッシリ系が結構出てきましたが、それらに合わせた大吟醸は負けることなく、楽しめました。(・ω・)
お酒なんでも研究所カフェ部
大阪府大阪市阿倍野区王子町1丁目7−8
080-4413-2685
営業時間
15:00~23:00
日曜営業、月曜・火曜休。
華やかな香りの陰に隠れがちですが、大吟醸らしい滑らかさと澄んだ味わいに合わせる肴を探してみるのも楽しいかもしれません。先立つもの(金)が必要ですが……。
( ;´Д`)
おしまい