広島の今田酒造本店さんのお酒。
海風土(シーフード)と読みます。
地元特産の牡蠣など瀬戸内海の海産物に合うお酒を目指されたよう。
本や人から聞いた話、ネット情報を総合すると、
焼酎はこのクエン酸のおかげで、温暖なところでも酒づくりに迷惑な菌がもろみで繁殖できない。もろみは酸っぱくなってしまうが、焼酎は日本酒と違って、もろみをしぼらずに蒸留するんで、口に入るものにはクエン酸が残らない仕組み。ちなみに泡盛に使われる黒麹菌も酸っぱくなります。というか、黒麹菌の突然変異が白麹菌。昔は九州の焼酎も黄麹でつくっていたが、なかなかうまくいきませんでした。そこに河内源一郎という学者さんが、泡盛のもろみが腐らないことからピンときて、明治末に黒麹菌を九州で広めました。更に大正の終わりごろに白麹菌を見つけたんですが、当初学会で認められず既に九州で黒麹が定着していたのもあって広まらず。ただ黒麹は文字通り黒いので蔵が汚れるなどの難点があり、その心配が無い白麹菌は次第に広まって、今では九州の焼酎蔵のスタンダードになりました。河内源一郎さんは会社も立ち上げており、今も焼酎用麹菌関連を扱う「河内源一郎商店」さんが鹿児島市内にあります。
というわけで、日本酒で白麹使う場合は、うまくやらないと超酸っぱい酒になるようです。
海風土も、
日本酒度はマイナス3.5で甘いのですが、酸度も3.5!
精米歩合は70%でした。
前置きが超長くなりましたが、
飲。
(・ω・)!!!
わずかに青重、ほんのり酸臭、爽やか、あまうま酸っぱみ、キレ、
渋エグみ感の無い酸キツ系の白ワイン?といったイメージでいい感じ。
おもしろうございます。
それにしても、白麹を使った酸っぱい系の日本酒、ここ5年くらいの間にかなり増えた印象があります。この手の酒の開拓者は秋田「天の戸」の浅舞酒造さんと福岡「池亀」の池亀酒造さんでしょうか。浅舞酒造さんは鹿児島の焼酎蔵・大海酒造さんと2001年から交流があったそうです。そして2006年あたりに、まずは黒麹を使った天の戸・黒(今の天黒)から始めて、白麹のsilkyが続いています。そして、ほぼ同じ時期に池亀酒造さんが黒麹の日本酒を手がけ、今の「黒兜」につながっています。白麹からのスタートでは2008年あたりに島根「加茂福」「死神」の加茂福酒造さんの「大正の白鬼」(大阪の銘酒居酒屋・酒友さんが関わって出来た)が登場した記憶があります。
違うよ、あそこのが古いよ、ここ忘れてるよなどなど、間違っていればご指摘いただけると幸いです。