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高知県酵母には宇宙に行ったものが複数ありまして「宇宙酵母」と称されております。それがこないだ深海にも行って生きて帰り、その酵母で仕込んだ酒がついに市販されました。各蔵から続々と出てくる予定です。
実は初年度(南鳥島周辺水深6000メートル)は1年後に全滅が確認され、
再挑戦した今年度(茨城県沖水深6200メートル)は4カ月海底にいた後、
見事生還しました。
宇宙酵母や宇宙酒はこのへんをご参照ください。ここで深海に沈める話も少し触れています。
生きて帰ってきた複数の宇宙酵母は「宇宙深海酵母」となりました。
例えば、
元の高知酵母AA-41(バナナ系の香りである酢酸イソアミルをたくさん出す酵母)の宇宙を経験したバージョン宇宙AA-41が、更に深海を経験していれば宇宙深海AA-41になります。
さてワシが初めて飲む宇宙深海酵母の酒は、
こちら高知県の高木酒造さんのお酒です。
酒米は吟の夢、精米歩合は60%。
使用酵母は宇宙深海AA-41と宇宙CEL-19
ラベルでお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
宇宙深海酵母の酒用に専用ラベルにしたのではなく、もともとあった宇宙酒「空と海」ラベルに上の首の所に「宇宙深海酵母」を添えたもの。
元の名前が名前だけにややこしい!
それはさておき、
飲。
(・ω・)あっ、うまい。
穏やかな青みとデリシャスリンゴ、まろやか、爽やかな酸味、しわみ、ラムネ、穏やかな苦み、シュッ
香りのバランスだけでなく、口当たりも引きもええですね!わりと酸も感じ、まろやかさがありながらも引き締まった印象もあります。
ほんで宇宙深海酵母やとなんか元の高知酵母と比較してすごい美味いとかあるの?
こんなことして何か意味あるのて?
そうですね、そういう意見もごもっとも。
宇宙酵母の時も香りの数値が上がった例があったものの、
因果関係はわかりませんでしたし。
でもですね、こういうのはロマンというか、
世間の注目を集める取り組みとしてはアリなんではないかと。
この酒も、
宇宙深海酵母のパワーなのか杜氏さんの技術によるものなのかわかりませんが、
なんにせよ美味いから個人的にはええかと。
できればいずれ科学的に検証してほしくはあるけれど。
美味しゅうございました!
【興味のある方向け】
実は今回のプロジェクトで海に沈めたのは宇宙酵母だけでなく、
通常の高知酵母も沈めており、こちらも一部生還しました。
なので、「深海酵母」「宇宙深海酵母」の2種類が誕生しています。
というわけで、宇宙に行った「宇宙酵母」、深海に行った「深海酵母」、宇宙と深海両方行った「宇宙深海酵母」となります。
今季は豊能梅の高木酒造さんのほか、いろんな蔵が宇宙深海酵母や深海酵母を使った酒をリリースしますので興味のある方はぜひ。
美丈夫、安芸虎、土佐しらぎく、文佳人、松翁、亀泉、司牡丹、無手無冠が宇宙深海酵母や深海酵母の酒を、南、土佐鶴は従来の宇宙酵母の酒を出すようです。
また、ややこしい話なんですが、
宇宙深海酵母を使用しても、そのまま「宇宙深海酒」は名乗れません。
酵母と同時に宇宙に行った種もみ由来の高知県の「吟の夢」か「風鳴子」を使う必要もあります。これは元々あった「宇宙酒」の条件がそうなっているので、宇宙酒の条件を満たした上で、宇宙深海酵母を使うことで「宇宙深海酒」となるようです。
よって、使っている酵母は宇宙深海酵母でも、米が土佐麗など他の米の場合は、「深海酒」表記になります。
あと、空と海の使用酵母で、なぜ宇宙酵母も使っているの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、宇宙深海酒の規格は宇宙深海酵母と宇宙酵母との混合仕込みOK(基準はあり)とのこと。
また深海には、カプロン酸エチル(デリシャスリンゴ系の香り)をたくさん出す宇宙酵母も送り込まれたのですが、残念ながら今回も生きて帰って来られませんでした。空と海で使っている宇宙酵母CEL-19はカプロン酸エチルを多く出す酵母のため、そうした事情もあるのでしょう。
宇宙深海酒や深海酒の詳しい規格は、
高木酒造さんがまとめてくれているのでこちらもご参照ください。
久しぶりに長いこと書いたな。
推敲せずに一気に書いたんで、後でちょこちょこ修正するかもしれません。
【今日は何の日】
レア酒もたくさん岸本食堂
おしまい。