ただの決意表明と当ブログの説明ですのでいつも以上に中身がございません。
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タイトルの「」部分は「キングダムハーツ」というゲームで、
黒幕のおっさんが、物語序盤で主人公に言い放つセリフです。
「知らない」より「知っている」方が世界が開ける。
そうだと思います。
今も時々顔を出している飲食店の大将は、
とある茶の道の先生でもあります。
なので美術品に明るく、
本物の魯山人の器にはこれが彫られているよとか、
柿右衛門の濁手はこういう色合いなんだよとか、
実物を見せてくれます。
肴をとんでもない骨董品に盛り付けていたり、
自分が今飲んでいる酒器が何百年前のブツだったり……。
残念ながら、価値がさっぱりわかりません。
でも大将は私を試すわけでもなく、純粋にいいものを見てもらいたいという思いなのか、わからない私へ丁寧に説明してくれます。
この分野に興味を持って知っていたら、
もっと楽しめたのは間違いありません。
一方、多少は知識も経験もかじった日本酒。
少々心の中で引っかかりがあります。
「知った」ゆえにです。
たとえば日本酒のオフフレーバー。
「知ったら楽しめなくなるかもしれませんよ?」
その筋の方から言われましたが、好奇心が勝りました。
日々飲んでいる日本酒の香りや味の正体は何なのか。
わかる範囲でどうしても知りたかったからです。
結果、気になるようになりました。
今まで「オフフレーバー」と認知していなかったものを、
それとはっきり意識するようになったからです。
「ああ......この酒の価値がわからないとは」
「こんなものをありがたがって飲むの?」
「派手さはないが、いい酒だ」
そういうセリフを発する方々の思いも、
なんとなく理解できるようになってきました。
蔵人や杜氏さん、現場をよく知る酒屋さんが、
「技術不足をケレン味丸出しでごまかした」と感じたお酒に、
顔をしかめるのはわかります。
でも私は造り手でも何でもない、一介の酒飲みです。
このままいくと、
飲む酒の選択肢を狭めてしまいそうで恐ろしいのです。
世界は開けても、拓けない。
その果てに、
「何も知らない者が何を見ても――そう、何も理解できまい」と思うようになったら……。酒飲みとしての私は、終わりへ向かうように感じます。
知ったからこそ、見える景色がある。
知ったがゆえに、見えなくなった景色もある。
でも知ってしまったものは、後戻りできません。
だから、知らなかったころの思いを忘れないでいたいのです。
「中の人」にならない限りは、
足を片方だけ突っ込んで節操無く飲みたいのでございます。
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誤解しないでいただきたいのは、何でもかんでも(゚д゚)ウマーではありません。
香る酒ならその中での優劣や好みはもちろんあるし、
いつぞや書きましたが一番好きなのは、
長期低温貯蔵した吟醸香と熟成香の共存酒です。
いわゆるオフフレーバーに関しては、
確かに鑑評会出品酒レベルの大吟醸などの奇麗なお酒は、あるとかなり気になります。
しかしながら、味の要素が多い酒だとその限りではありません。
生ヒネや4VGの香りは、いいアクセントにすら感じることがあります。木香様臭やダイアセチル臭(甘酸っぱい酒や低アルコール酒によく感じる)を伴う酒は冷たいとさほど気になりませんが、温度が上がると厳しいです。
カプロン酸エチル主体の香る酒が崩れた時に感じる脂肪酸(多分)の臭いは苦手です。またヒネ香(dmtsなど)は、タイヤや革製品臭に感じるレベルまできついと、濃いめの長期熟成酒であっても好みではありません。
あとブログでしょっちゅう書いている「青い」「青重い」。
以前も書きましたが、改めてご説明すると、酢酸エチルと高級アルコール主体の香りです。青いがきつくなるとセメダイン、青重いがさらにきつくなると、水性マーカーやインク表現になります。酢酸エチルは槍、高級アルコールは鈍器なイメージです。
★2022年4月13日追記:後に各種香りサンプルを入手し、青重いの正体は濃い酢酸イソアミル主体であったことがわかる。高級アルコール主体は泡盛や球磨焼酎系の重くも尖りがある感じの香り。
……それにしてもキングダムハーツはいつ完結するんや。
禿げたマスター・ゼアノートの気持ちになってきた。
(;´・ω・)
【今日は何の日】
本日から3年目。もうちょっと挑戦してみようと思います。
おしまい。