こんばんは、鬼です。
O3が今日は1抜けたとか言うたのでO2。
そう、オニの私が代わりに書いています。
しょーもないこと言うのは相変わらずです。
ああ…そんなことはどうでもいいですよね。
いよいよ迫る2月3日。
ワシにとって1年で最も憂鬱な日です。
節分から現実逃避したくなりましてね。
もう日が落ちた川縁で1人バックレようかと。
っていうかさー、
豆ぶつけるのやめてほしいのよ。
ワシ、何か悪いことした?
いや、そりゃ昔は何かやらかしたかもしれんけど、
今はそらおとなしいもんよ。
豆まくのやめて、恵方だけ巻いてりゃいいのにね。
おや?
先客がおるのう。
学生さん?
こんな夜にどうしたの?
気持ちがふさいでここに来たと。
そうか、じゃあ鬼さんでよければ聞いてあげるよ。
話せば少しは楽になると思うからさ。
まあ気軽に「鬼いさん」って呼んでよ。
それなんかのパクリやないかて?
そうだね、プロテインだね。
あ、ちょ、ちょっと待って、帰らないで。
まじめにやるから。
鬼のおじさんがちゃんと聞いてあげるから話してごらん。
はあはあ、なるほど。
あと10日ちょっとしたら、バレンタインデー。
自分は非モテなので憂鬱だと。
いやいや、そんな悲観的にならなくても。
えっ?
去年、バレンタインデー前日にクラスのかわいい女子からチョコレートケーキもらった?
じゃあいいじゃん。
ほうほう、おいしいって言ったら、じゃあ安心して明日先輩に渡せるよって満面の笑みで言われたと。
そりゃ辛いね。
辛いよね。
そうだなあ、どうすりゃいいかなあ。
そうだ!
節分とバレンタインデーを一緒にしてしまえばいいと思うんだ。
日ごろウェイウェイ楽しんでおられるリア充のみなさまに、豆を投げる。
女性から男性とか、義理とかはナシ!
そんなのがあるから男性も女性も負担になるんや。
まずは小売店で投擲用の豆のラインナップを拡充する。ちゃんと豆を買ったもののみ、リア充に投げつける権利を獲得できるってな仕組みでな。
なんとか丹みたいな百貨店で「サロン・デュ・ソヤ」みたいなコーナーも設けてね。
アメリカ産オーガニック大豆とか、ダイヤモンドコーティング大豆とか。
高い豆、多くの豆を投げつけられたリア充さんは名誉なこととして表彰してもらえる。そんで、最後はみんなで投げた大豆を肴にしながら日本酒飲んでガハハハやって気持ちよく終わるんや。
あー、君は学生さんやったな。
そうやな、こどもびいるとか粕汁でも飲んどきなさい。
何はともあれ、鬼さん傷つかないのがいいな。
投げる時は「ウェイは~外、福は~WRYYYィイ!」ってね。
そのかけ声だったら、誰も幸せにならないじゃないかって?
だってワシは鬼だもの。血は吸わないし時も止められないけど。
まあ、こんなこと言っても何の解決にもならないね。
これだけはアドバイスしておこうか。
学生さんまだ若いでしょ。
非モテなんだったら、逆にこれからじゃないか。
伸びしろあるんだから、あがいてみなよ。
何でもいい、ちょっとしたことだっていい。
今の自分を変えるために、
一歩だけ今日の自分と違うことをしてごらん。
劣等感っていうのは、うまく使えば凄いエネルギーになる。
そんで、もし克服できたら 非モテの魂は忘れないでほしいな。
そうすれば、きっと生まれついてのリア充さんより、
他人に対して優しい人になれると思う。
おじさんはそれができなかったから鬼になったんだ。
………。
………。
………。
さ、そろそろ行くかな……。
ん?
逃げようとしたからここにいるんじゃないかって?
そうだなあ。
逃げることも時には大切だけど、どこかで立ち向かわないとなあ。
学生さんと話してて、そう思ったよ。
このままじゃ、ただの鬼で終わっちゃうからね。
今からでも遅くないんじゃないかって思ったんだ。
おっと、時間だ。
最高に怖い顔して豆に打たれてくるよ。
じゃあの。
おしまい。
フィクションです。
いかなる個人・団体とも関係はございません。